基礎の充実の上に・・・
『ブレードランナー ザ・ファイナルカット』DVDメイキングの未公開映像を観た。
じつはレイチェルのヌードを撮影していたことに衝撃を受けた。
なんてことだデッカードとレイチェルが裸でからんでいる。
本編ではデッカードが強く迫ると彼女は少女のように幼く答える。
ヴァージンであるレイチェルはデッカードを怯えながら受け入れキスしながら下にフレームアウト。
エンディングでレイチェルがデッカードについてゆくきっかけとなるシークエンス。
『ブレードランナー』をはじめて観たときむろん世界観・映像・物語・登場人物すべてに圧倒された。そのなかで特出して感銘をうけたのは中盤のラブシーンだった。
やさしくて儚げで刹那的。
幼かった自分は大人になるとこんな素敵なことができるんだなどと心が豊かになったものだ。
未公開映像ではフレームアウトあとレイチェルが胸をさらけ出して結合する。そこでのレイチェルは経験ある大人の女性として演出されていた。
そのころには映像編集を生業としていた自分は脳内で勝手に再編集しヌードシーンをつけ加えた。
が整合性がない。いらないシーンだ。だから本編からカットしたのだろうがメイキングに入れてほしくなかった。というよりもそもそも撮影してほしくなかった。
『地獄の黙示録』は好きな映画だ。
血迷って特別完全版DVDを購入し早速後悔した。
フランス人妻の誘いやプレイメイトとの宴はまったく必要なかった。
ベトナム戦争の混沌を見せるために地獄めぐりとしてエピソードの羅列を意図し目的地へ向かうコンセプトは素晴らしい。
だが足されたエピソードが牧歌的すぎた。
そして直接的なエロスがそこはかとなく蛇足だった。
本来血と暴力とエロスはご飯とみそ汁と焼魚くらい相性がいいはずなのに。
『ブレードランナー』はナレーションありで『シャイニング』のあまったフィルムをラストにくっつけたバージョンがいちばん好きだ。
デッカードはもしかしたらレプリカントかもしれない・・・とかいらない。
さらに言うと最近アナウンスされたばかりの続編もいらない。
だけど結局劇場へと向かうことになる。