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チナスキー好きー

西村賢太の小説は読んでいない。

だが無頼派としてのキャラが好きでウェブ日記を読んだりしていた。

 

映画版『苦役列車』は観た。日記で作者が映画をけんもほろろに斬り捨てた。

絶賛公開期間中なのに。えらい。

自分は20代「苦役列車」の世界を経験した。

日雇い。建設現場で埃のなで働き日銭を稼ぐ。保証も無いのに高所で作業させられた。むろん落ちたら死ぬしそれ以上それ以下はない。

貯金はないし未来もない。将来は漠然と映像の世界に行きたかった。

 

映画ではそんな体のニュアンスな感じの雰囲気を醸し出したかったのだろう。けれど皆無だった。穢れと悪臭がしない。作者がボロカスにいう気持ちもわかる。

 

やがて日雇いから離れて映像の仕事にかかわるがフリーランスのため安定した収入もなく日々飲んだくれてバーで人に絡んではフルボッコにされたりした。

まるでミッキー・ローク主演の『バーフライ』のように。

脚本はチャールズ・ブコウスキー

ブコウスキーはいちばんすきな作家だ。彼こそほんとうの無頼派だと信じている。

 

当時泥酔してはまわりに悪態ついて喧嘩して嫌われて交際していた女性に愛想をつかされそれでも必死で脚本を執筆したり映像編集をこなしていた。

 

いつものように泥酔し渋谷のバーに飛び込みひとりで飲んでいた女性に声をかける。気づけば見知らぬ部屋で起きたら別の見知らぬ女性が顔を覗き込んでいた。逃げるように部屋を出るといつのまにか登戸にいた。

断片的な記憶を頼っても恥の上塗りをしたに過ぎない。

ブコウスキーの分身であるチナスキーみたいだと嗤った。

 

安い脚本料と編集料。家賃さえままならない。けれど酒は飲む。その時期なにひとつうまくいかなかったしいいことなどなかった。けれど最低で最高な日常だった。

 

 ブコウスキーの代表作「町でいちばんの美女」の美女・キャスはいまでいうメンヘラ女なのだが、チナスキーのように酔っぱらって出会いたい女ナンバーワンである。

 

むろん付き合いたくはないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

町でいちばんの美女 (新潮文庫)

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