詩にゆくものへの祈り7

籠目の数式

 

 

 

 

今日籠にいれていた鳥が逃げた

 

しばらく部屋をばたついたあと窓の隙間から空へ飛んでいった

 

俺はしばらく鳥が消えた空を見あげていた

 

やがてなぜ空をながめていたのか思い出せなくなった

 

彼女が空にむかって鳥のなまえをよんだ

 

俺はその鳥になまえをつけたおぼえはない

 

籠の扉はあけておいたし窓はずっと開いたままだ

 

彼女は俺を罵倒する

 

あんなにかわいがっていたのに

 

そもそも彼女の鳥ではない

 

ましてや俺の鳥でもない

 

しばらくして鳥がもどってきた

 

なにごともなく籠にもどってきた

 

俺は明日また鳥を空へ放つ