メルの前腕
劇中『マッドマックス』とほぼ同じ演出のアクションシーンが登場する。
それだけでニヤニヤしてしまいガタガタのストーリー展開もすべてゆるせた。
年老いたメルギブソンが水平二連散弾銃で追ってのバイカーを振り向きざまに撃つ。
もんどりうって転倒するバイカー。
もう一台は対向車線からやって来たトレーラーに正面から轢かれる。
わかっている。この監督はきっとわかっている。
『ブラッド・ファーザー』。
家出した娘が裏社会の人間から追われている。アウトローの親父が娘をかくまう。
相手はシカリオ。メキシカンギャング。
最後の敵の致命的な弾丸がメルギブソンの胸に直撃。俺はもう死ぬと娘に淡々と告げる。
フランス映画だったのは鑑賞後知った。ジャンクフードのようなB級映画だったが『マッドマックス』だってそもそも。
だからハリウッドのマネーメイキングスターになり、紆余曲折あったメルギブソンが年老いたアウトローとなって低予算映画に帰って来たことがとてもうれしかった。
この映画はNETFLIXで鑑賞した。ネットの海に広がる無数の作品群からなぜにメルギブソンだといえB級を選んだか。それは『パパVS新しいパパ2』でメルギブソンがパパ側の父親役で出演していたから。あの年老いてもなおたくましい前腕にときめいたからだった。
そして期待通りのメルギブソンのまさに丸太のような前腕&上腕に夢中となった。