2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

四季の死期・・・

『ボラッド』は現実世界で狂気じみたフェイクがアンモラルを手土産にリアルなモラルを破壊するドキュメンタリーだった。 フェイクが現実を凌駕するさまを延々とスクリーンに映し出し観る者を圧倒する。 偽善の暴露。 無知識の露呈。 大人のチ●コが人前で露出…

詩にゆくものへの祈り7

籠目の数式 今日籠にいれていた鳥が逃げた しばらく部屋をばたついたあと窓の隙間から空へ飛んでいった 俺はしばらく鳥が消えた空を見あげていた やがてなぜ空をながめていたのか思い出せなくなった 彼女が空にむかって鳥のなまえをよんだ 俺はその鳥になま…

詩にゆくものへの祈り6

偽善の弓 ありふれたなんの変哲もない土や泥のにおい 朝露にぬれて艶る青葉のかほり 君は見やったあとにしばらくしてから顔をゆがめる 鼻をつまんで不快そうにくさいとつぶやいた はじめ君のしぐさがなんことについてかわからなかった やがてそのしぐさがな…

詩にゆくものへの祈り5

團子蟲と國家 男はダンゴムシをあつめると決めた この世のすべてのダンゴムシをあつめたかった 手はじめに家の庭をさがした ていねいにひとつひとつしらみつぶしにあつめた 家の風呂釜がいっぱいになるほどあつまった 男は夜寝るたびにダンゴムシがうごめく…

詩にゆくものへの祈り4

屍の戯言 彼女はときどき笑顔で踊りだした 彼女はうれしくなると踊りたくなるようだ 彼女はうれしくなると自分を傷つけたくなるようだ 彼女はかなしくなると笑顔になるようだ 彼女はたのしいことがあるとさみしくなるようだ 彼女はさみしくなるとたのしくな…

詩にゆくものへの祈り3

思想の轍 右にいるのは喧嘩しているカップル 左にはおだやかに話す夫婦がいる カップルは主張をまげずにいられない 夫婦はなにかを諦めている カップルはなんども別れをくりかえしもとにもどる 夫婦は離れないがとくに必要だと感じていない カップルは過去の…

詩にゆくものへの祈り2

刻の棲家 小さくて軽くて早くて飽きない 大きくて重くて遅くていらだつ 飽きないけどいくらでもかわりがいる いらだつけどはなれたくない ひとりでも寂しくないからひとりでいい ひとりでは寂しいから誰かを想う 寂しくないのにひとりだと知られたくない 寂…

詩にゆくものへの祈り・・・

盲目の種蒔 コミュニティは自分でえらべない 君はそのコミュニティで決められたルールにまずはしたがう やがて別のコミュニティを目の当たりにし君は発見か拒絶かをえらぶことになった 発見ならばさらに別のコミュニティを探すし 拒絶ならもとのコミュニティ…