“火事により廃村となった村と謎の失踪事件”
“火事により廃村となった村と謎の失踪事件”
1998年12月。山梨県南都留郡の限界集落でその事件は起こった。
当時8戸14人が暮らしていた。
その日は珍しく、強く風が吹いていた。
夕方、村民が落ち葉を焼却していた際、枯れ草が舞い、殻葺屋根に落ちた。
火は瞬く間に燃え広がり、4戸が全焼。4人が焼死した。
村民全員が後期高齢者だったため、町に住む親族のもとに移住した。
その日から、村は無人となり、廃村と化す。
無論、その出来事は事故であったが、その村で一人暮らしをしていたとある老婆は行方不明の
ままである。
その老婆は、火事のその日まで、村民と日々衝突していたという。
火事で生き残った村民の話では、彼女は村のシャーマン(祈祷師)の末裔で、雨乞い、農耕祭祀、謝肉祭の際に姿を現したが普段は納屋のような場所に籠もっていたという。
昭和の頃は、村民は病気のときも彼女に頼っていたが、随分遠くにあった病院による、限界集落を定期的に訪問するホームドクター制度ができてから、邪魔者扱いしていたという証言もある。
火事で焼死した村人の数人は、手を縛られていたとか噂もある。
それが消えたシャーマンだったという事実はない。
なぜならば、その村には、自ら手足を縛って拘束して苦行を行う因習があったとも聞く。
その老婆は未だ見つかっていない、
事件は未解決のままである。