じゆうをわれらに・・・
『ブルーリベンジ』は銃撃をリアルに見せていた。
弾丸が着弾した際の人体破壊描写。
粛々と進行する物語に効果をあげている。
矢が刺さる痛みより散弾のほうが痛くないんだね。主人公は死にぎわにそうのたまう。
アメリカ銃社会。報復の連鎖。銃を持つものが勝者という台詞もあってとにかくわかりやすい映画だ。
自分がはじめて手に入れた銃はM16だった。小学生。むろんエアガンだがあのときの高揚感は忘れられない。
正直海外旅行先で実銃のM16を撃ったときの興奮など比ではなかった。
お前にはこの銃が合う。使い勝手がいい。
主人公に無償で銃を渡した友人はそう言った。
この銃なら確実に人を撃ち殺せるよと。
友人は正当防衛さえ成立すれば殺人に躊躇しない。
人を撃ち殺すよろこびをあたえてくれるなら無償で助ける人間ともとれる。
物語がはじまってからずっと主人公には死が漂っていた。だからおおよそ90分後には死ぬだろうと。
その通りになった。
『LA大捜査線/狼たちの街』では主人公が途中であっさり死んだのには驚いたが。
「一人だけの軍隊」も読んでいる途中から死が漂っていた。映画もはじめはスタローンは死ぬ予定だった。実際に撮影していたが試写の評判が悪く自首するエンディングに差し替えられた。
『ランボー』でさえ脳内で再編集すれば、はじめからスタローンは死にむかっているようにも見える。
死のエンディングだったらあの名曲「It's a long rord」はいまでも心のなかで鳴り響いているだろうか。